
福岡県八女市に蔵を構える喜多屋(きたや)
創業は1820年(文政3年)。200年以上にわたり、自然豊かな八女の地で酒造りを続けてきた老舗酒蔵です。現在は日本酒だけでなく、本格焼酎、リキュール、スピリッツ、発酵調味料なども手掛けています。
喜多屋の名前を全国、そして世界へ広く知らしめた日本酒のひとつが「大吟醸 極醸 喜多屋」。
2013年には、ロンドンで開催されたIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)SAKE部門で最高賞となる「チャンピオン・サケ」に選ばれました。
しかし、喜多屋の魅力は受賞歴だけではありません。
地元・福岡の米と八女の水を大切にしながら、200年以上にわたって酒造りを続けてきた蔵元です。
この記事では、喜多屋とはどんな酒蔵なのか、その歴史や酒造りへのこだわり、代表的な日本酒、おすすめの楽しみ方をご紹介します。
喜多屋(きたや)とは?
喜多屋は、福岡県八女市本町に本社を構える酒蔵です。
創業は江戸時代後期の1820年(文政3年)。
九州有数の穀倉地帯・筑紫平野の南部に位置する八女で、屋号「喜多屋」として酒造りを始めました。
「喜多屋」という屋号には、
「酒を通して多くの喜びを伝えたい」
という創業以来の志が込められています。
現在も喜多屋は「お酒に関わる全ての人と多くの喜びを共有できる酒蔵でありたい」というビジョンを掲げています。
酒を造る人、米を育てる人、酒を販売する人、そして実際にその一杯を楽しむ人。
さまざまな人へ「喜び」を届けることが、200年以上続く喜多屋の酒造りの根底にあります。
喜多屋の酒造りを支える福岡の酒米
喜多屋の日本酒を知るうえで注目したいのが、米へのこだわりです。
喜多屋では、福岡県産の酒米を積極的に使用しています。
代表的なものが、
福岡県糸島産の「山田錦」と、八女で栽培される「吟のさと」です。
福岡・糸島産の山田錦
「酒米の王様」とも呼ばれる山田錦。
喜多屋では、JA糸島で生産された山田錦を酒造りに使用しています。
山田錦は粒が大きく酒造りに適している一方、穂が長く強風に弱いため、栽培にも手間がかかる品種です。
農家が品質向上に取り組みながら育てた福岡の山田錦は、喜多屋の酒造りを支える重要な存在となっています。
そして、その福岡県糸島産山田錦から生まれた代表的な日本酒が、後ほどご紹介する**「大吟醸 極醸 喜多屋」**です。
八女で育てる酒米「吟のさと」
もうひとつ注目したいのが「吟のさと」です。
喜多屋では2006年度、自社の実験田などで当時「西海酒255号」と呼ばれていた酒米を試験栽培しました。
その米を使って純米酒や純米吟醸を試験醸造したところ結果が良好だったことから、翌年度以降、JAふくおか八女管内で栽培する農家を増やしていきます。
そして2007年、
「地域に根ざした吟醸用酒米になるように」
という願いを込めて「吟のさと」と命名・品種登録されました。
地元で育った米から、地元の蔵が日本酒を造る。
「福岡・八女の地酒」として喜多屋を楽しむなら、ぜひ知っておきたいストーリーです。
世界で評価された「大吟醸 極醸 喜多屋」
喜多屋を代表する日本酒として外せないのが、
「大吟醸 極醸 喜多屋」です。
2013年、ロンドンで開催されたIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)のSAKE部門で、SAKE部門最高賞、「チャンピオン・サケ」に選出されました。
極醸 喜多屋には、福岡県糸島産の山田錦を100%使用。
山田錦を精米歩合35%まで磨き、寒い時期に仕込み、時間をかけて発酵させます。
さらに特徴的なのが、「しずく搾り」です。
醪を入れた酒袋に圧力を加えて搾るのではなく、自然に滴り落ちてくる酒を集める方法です。手間と時間のかかる方法ですが、極醸 喜多屋を造るうえで重要な工程となっています。
世界的なコンテストで評価された一本というだけではなく、福岡で育てられた山田錦と、喜多屋が長年培ってきた酒造技術から生まれた日本酒なのです。
「極醸」だけではない喜多屋の日本酒
喜多屋というと「極醸」のイメージが強いかもしれませんが、もちろん日本酒はそれだけではありません。
純米大吟醸、純米吟醸など、さまざまな日本酒を造っています。
代表的な銘柄のひとつが「寒山水(かんさんすい)」です。
2011年には「純米大吟醸 寒山水」が、米国で開催されたサンフランシスコ・インターナショナル・ワインコンペティションで最高位のダブルゴールドを受賞しました。
喜多屋の日本酒はどんな人におすすめ?
喜多屋にはさまざまな日本酒があるため、「喜多屋は甘口」「喜多屋は辛口」のように、ひとつの味で表すことはできません。
むしろ、飲む場面や好みに合わせて選べる幅広さが魅力です。
例えば、特別な日にじっくり楽しむなら「大吟醸 極醸 喜多屋」。
福岡の酒米から造られる日本酒を楽しみたいなら、山田錦や吟のさとを使用した商品。
乾杯の一本を探しているなら、スパークリング日本酒。
また、喜多屋では日本酒だけでなく本格焼酎も造っているため、日本酒・焼酎の両方から好みのお酒を探すことができます。
「福岡のお酒を飲んでみたい」という方にも、間違いなくおすすめできる酒蔵です。
また、喜多屋の日本酒は、ご自宅用はもちろん、お中元・お歳暮・父の日・敬老の日などの贈り物にもおすすめです。
福岡の日本酒を探している方、日本酒好きな方への贈り物を探している方も、ぜひ自分に合った一本を見つけてみてください。吟の瞳